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肥満症
(保険によるGLP-1治療)Obesity

「肥満」と「肥満症」

日本肥満学会では、BMI※≧25の場合を「肥満」の判定基準としています

「肥満」に伴って健康を脅かす合併症がある場合やリスクが高い場合に「肥満症」と診断されます

※ BMI(Body Mass Index)の計算方法 「体重(kg)÷ 身長(m)÷身長(m)」
例:身長175cmで体重が95Kgの場合
95÷1.75÷1.75=約31.02

保険診療での肥満症治療の適用条件(①もしくは②)

① BMI≧35で、高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかで内服治療が必要

② BMI≧27で、高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかで内服治療が必要かつ下記の肥満に関する健康障害
が2つ以上ある

肥満に関する健康障害

1,耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
2,脂質異常症
3,高血圧
4,高尿酸血症、痛風
5,冠動脈疾患
6,脳梗塞
7,非アルコール性脂肪性肝疾患
8,月経異常、不妊
9,閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10,運動器疾患
11,肥満関連腎臓病

内服治療が必要な 高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病があるかどうかわからない方は、当院で検査を実施して診断致します。

BMI早見表 BMI27 BMI35
150cm 60.8kg 78.8kg
155cm 64.9kg 84.1kg
160cm 69.2kg 89.6kg
165cm 73.6kg 95.3kg
170cm 78.1kg 101.2kg
175cm 82.7kg 107.2kg
180cm 87.5kg 113.4kg

肥満症外来のながれ

1. 初診~診断

〈初診時〉
・今までの体重の経過・生活習慣・既往歴など詳しく問診
・身長、体重、血圧、腹囲、採血、採尿
・過去の健診データなどもある場合は診断の助けになりますのでご持参ください

〈上記以外で必要な場合に(当日・後日)追加する検査〉
・レントゲン、心電図、頸動脈エコー、ブドウ糖負荷試験、二次性肥満検査、脈波、頭部画像検査、腹部画像検査、冠動脈画像検査、睡眠時無呼吸検査、など

2. 薬剤投与前の半年の準備期間(食事運動療法の期間)

薬剤治療の適応の状態であった場合に、最初の半年間は食事運動療法を実施してから、薬剤治療が開始となります

【薬剤(ウゴービ®、ゼップバウンド®)の保険適応となる方】

① 当院通院開始より半年以上、減量のための適切な食事療法・運動療法を実施
1か月ごとの受診を続けている※
2か月に1回以上の頻度で栄養士との面談を受けている※
④ ご自宅で食事運動療法の定期的な記録をとり毎回の受診時に持参している
⑤ 高血圧、脂質異常症、糖尿病のいずれかに対し内服加療を行っている

上記①~⑤:必須条件

※毎月の定期の受診や1~2か月ごとの栄養士との面談が実施できない場合は、その時点で保険適用の上では治療中断の扱いとなります。この場合に保険適応での治療を再開するには、再度初月から食事・運動療法のやり直しが必要です

3.薬剤(ウゴービ®、ゼップバウンド®)の投与

  • 初期用量から開始し、週に1回、自己注射を行います。効果・副作用を確認しながら、必要に応じて4週間以上の間隔で増量していきます。
  • 副作用や効果の確認のため、投与開始後も毎月の受診と検査が必要です。また、引き続き1~2か月に1回の栄養士との面談も必須です。(引き続き上記①~⑤必須条件
  • 投与期間は最大68週間(ウゴービ®)、72週間(ゼップバウンド®)です。
  • 投与期間終了後は一定期間の健康状態の確認を行い、薬剤再開に関しては、必要性を十分検討することになります。薬剤の再投与が必要と判断された場合も、基本的には再度半年の準備期間を経ていただきます。

※重度の精神疾患を有する場合は安全上の理由で薬物治療を見合わせる場合があります

4.薬剤(ウゴービ®、ゼップバウンド®)について

【肥満症に対する治療薬のしくみ】

  • 脳の満腹中枢に働きかけて食欲を抑制します。また、胃の蠕動運動を抑えて満腹感を出すことで食事量が減り、体重を減少させる薬です。
  • 同じ成分の薬剤は、以前から糖尿病治療薬として使用されており、インスリンの分泌を促しグルカゴンの分泌を抑制することで血糖の改善効果があります。
〈ウゴービ〉

糖尿病治療薬の「オゼンピック」「リベルサス」と同成分で、GLP-1受容体作動薬に分類されます。0.25mg~2.4mgまでの5段階で、週1回皮下注射をします。オゼンピックは最大投与量が1.0mgですが、ウゴービは最大2.4mgの投与が可能です。最大投与期間は68週間です。

〈ゼップバウンド〉

糖尿病治療薬の「マンジャロ」と同成分で、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬に分類されます。2.5mg~15mgまでの6段階で、週1回皮下注射をします。最大投与期間は72週間です。

〈副作用〉

出やすい副作用としては、下痢・便秘、嘔気・嘔吐、消化不良、膵炎、注射部位の発赤・かゆみ、などがあります。また、増量に伴い副作用が出やすくなりますが、全員に出るわけではありません。当院では毎月の診察と採血で副作用の出現も注意深くフォロー致します。

〈薬剤を使用することが出来ない方〉

・妊娠中、2か月以内に妊娠を予定している方
・授乳中の方
・小児
・高齢者
・1型糖尿病の方
・胃潰瘍・潰瘍性大腸炎
・クローン病など重度の胃腸障害のある方
・膵炎の既往がある方、膵疾患のある方

〈薬の費用〉

ウゴービは3割負担の場合、1か月の4回分は、1.0mgが約7,000円、最大量の2.4mgが約13,000円です。

ゼップバウンドは3割負担の場合、1か月の4回分は、2.5mgが約3,700円、10mgが10,800円、最大量の15mgが約13,500円です。

※このほかに保険診療の診察・検査費用がかかります。